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今年度まで国の住宅政策は量を基軸とした目標設定による施策でしたが、来年度からは既存建物の質の向上がテーマです。国土交通省が来年度の重点施策として掲げている7項目のうちのひとつが災害対策です。国をあげて耐震に取り組もうという流れになっています。耐震への社会的関心も相当高まっています。
近年、地震が起こりにくいといわれていた地域での地震発生も目立ちます。4枚のプレートがひしめきあっている日本列島は地震が多く、この1年間で約2万5,000回の地震が確認されています。もはや日本ではいつ、どこで大地震がおこっても不思議でない状況ですから、それだけの備えをしなければならないわけです。
阪神・淡路大震災では、住宅の倒壊が人命を奪った最大の要因でした。特に昭和56年以前の在来工法住宅(旧耐震基準)の倒壊率が高かったのです。木造住宅は、建築基準法施行令が改正された昭和56年を境に耐震基準が大幅に強化されました。面材耐力壁の追加や壁量の増加が必要となり、新耐震基準の住宅はかなり厳しい基準で建てられるようになりました。
この時期から認められた耐力面材は、現在新築木造住宅の多くで採用され、需要は右肩上がりで推移しています。木ずりや筋かいに代わってこれからも需要増加すると予測されています。昨年着工の木造住宅では筋かいを使ったものが6割、耐力面材が4割でしたが、2010年には耐力面材市場が7割になると予測されています。
阪神・淡路大震災を経験して平成12年には建築基準法が改正され、耐震基準はさら強化されました。
昭和56年以前の旧耐震基準の住宅は平成15年現在で約1,047万戸、うち8割が耐震性に不安があるとされています。また新耐震基準で平成12年以前のものは約1,378万戸、これらは家の状況に応じて耐震改修か新築建て替え。12年以降の住宅は、新潟中越地震や福岡沖地震などでその耐震性が実証され、基準・ルールに則ってつくられた住宅ならば問題はないと考えられています。
12年以前の建物は大阪では約300万戸あり、75%が耐震上不安があるとされています。それだけの危険性がいわれながら、なかなか耐震化が進んでいないのが実情です。耐震改修にはコストがかかるし、自分の住む地域に地震は来ないだろうと思っていたり、改修のきっかけがなかったり、改修しても効果がないのではないかと思われたりなどの理由からです。
信頼できる業者が、安心・安全で公的に認められた性能で手頃な価格の耐震改修を提供することが必要です。
今回ご紹介するものは、既存住宅の天井と床の間の壁面(内壁下地材)に設置する耐震キットで、耐震診断をして補強が必要な箇所に配置します。壁倍率は国土交通省認定の2.3倍で、大規模な工事をすることなく住宅の耐震性を向上できます。壁面だけの工事ですからコスト、工期ともに大幅低減ができます。 |