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屋根のスペイン瓦、2階外壁の
ハーフティンバーが印象的な
美術館と、立礼式茶室「即庵」
(写真右) |
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もと京都にあったと伝えられる
2畳の茶室、「費隠」 |
3つの茶室がつくる清閑な空間
「親しみやすい茶道」を貫く
小林氏は茶道をこよなく愛した。邸内には庭園を囲むように3つの茶室「即庵」「費隠」「人我亭」がある。なかでも「即庵」は、伝統的な3畳台目を囲む敷瓦に椅子を置いた立礼式で、昭和の名席の1つと言われている。当時珍しかったという立礼式の茶室に、茶道をお堅いものとは考えず、誰もが気軽に楽しむべきだという理念が見てとれる。小林氏は折りにふれ茶会を催し、そこで収蔵品を披露していた。
今ではもちろん来館者がお茶を楽しむこともできるし、「人我亭」は貸茶室として利用することもできる。
建築やインテリアの美しさ、貴重な美術品、庭園と茶室の醸し出す清閑な雰囲気、そのすべてをまるごと堪能できる実にぜいたくな空間だ。 (記:濱田留美子)
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