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1階エレベーター上にある
時計はステンドグラス。
六角の星でデザインされている |
シンボルの孔雀、原案は不死鳥だった
モチーフの六角の星はダビデの星
デザイン的には御堂筋側が目立つが、同店のシンボル、孔雀のレリーフ・テラコッタがあるのは心斎橋筋玄関のファサードだ。当初ヴォーリズからは、焼失した店舗再建の願いを託して不死鳥フェニックスでという指示が出ていた。ところがテラコッタを受注していたアメリカのメーカーは愛と幸福の象徴である孔雀を提案し、それが採用された。メーカー側がフェニックスという神話上の鳥にとまどったからだと言われている。
孔雀のレリーフは青や緑色の釉がつややかな光沢を放ち、植物をかたどったレリーフに囲まれて目の覚めるような美しさであった。
同店を飾る鳥は孔雀だけではなく、ステイタスを表す鷹や鷲、贈り物を届ける使者コウノトリなど、それぞれが百貨店をイメージさせる重要なキャラクターになっている。
また、装飾のあらゆるところで六角の星がモチーフとして使われていることに気がつく。敬虔なクリスチャンであったヴォーリズは、幸せを象徴するといわれたダビデの星をデザインに取り入れたのである。
趣向をこらしたアール・デコの内装は、「高級品」イメージの百貨店への来店者をよりリッチな気分にさせるのに十分な効果を発揮した。
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