東海地震の死者は約9,200人、うち建物内で亡くなるのが約6,700人と予想されています。一方東南海・南海地震は死者約1万8,000人、うち建物内が約6,600人と予想されています。耐震化によってこの数を半減させるのです。このために住宅の耐震化率を今後10年間で9割に持っていくという目標を立てました。
耐震化のため現在実施している施策として次のようなものがあります。
・ 法制度による耐震化の誘導:耐震改修促進法の施行
・ 耐震改修費等に対する財政的支援:補助制度、 融資制度、税制による支援
・ 耐震改修等の技術開発等:コストダウン、新技術の評価・普及等
・ 所有者等への普及啓発:相談窓口の設置・事業者の紹介などの情報提供・その他のリフォームとあわせて耐震改修を行なうよう啓発
耐震改修促進法は平成7年の臨時国会で成立し、特定建築物(多数の人が利用する学校、病院、百貨店、ホテルなど)の所有者に耐震診断や改修の努力義務を課しています。
耐震化に対する支援制度には、助成や低金利の融資、ローン減税などがあります。
助成制度はさまざまです。統合補助制度は、耐震診断や耐震改修をするときに、一定の割合で国または地方公共団体が費用を負担するものです。ただ、補助を受けられる地域は“地震が起きやすい”ところに限定されています。これはやはり問題だということで、国からの補助の形ではなく、交付金として耐震化を支援する地方公共団体に対して費用を補填できるような制度を今年度からつくりました。
全国の市町村のうち助成制度を設けている市町村は、戸建住宅では耐震診断が580市町村、耐震改修が254市町村(平成16年3月31日現在)と、日本の全市町村数2,584からするとまだまだ不十分な状況です。
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