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2025年4月21日長崎スタジアムシティ
ピッチから5mの客席で迫力のプレイを楽しめるサッカースタジアムなど5つの施設からなる長崎スタジアムシティ 2024年10月、長崎市内中心部にサッカースタジアムをはじめアリーナ、ホテル、商業施設、オフィスビルの5つの施設からなる大型複合施設「長崎スタジアムシティ」がグランドオープンしました。東京ドームの1.5倍の敷地に立ち並ぶ施設には老若男女誰もが楽しめ、毎日訪れたくなるような仕掛けや工夫が凝らされています。開業から6か月で約260万人を動員した活気あふれる街に注目が集まっています。「見つける」「磨き上げる」「伝える」を実践
長崎スタジアムシティの事業主体は、いまも長崎県に本社を置く通信販売大手のジャパネットホールディングス。同社が長崎市内中心部を流れる浦上川沿いの三菱重工長崎造船所の工場跡地の開発事業者に選定されたのをきっかけに、2018年に開発プロジェクトをスタートしました。20年7月に基本計画を開始、22年6月起工、24年9月に竣工しました。敷地面積は7.5ヘクタール、総事業費は約1000億円です。
同社は「スポーツを通じてワクワク感を届けられる場所を作りたい」という想いから「スポーツ・地域創生事業」を通信販売事業に並ぶ2つ目の大きな柱として位置付け、2017年にプロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」をグループ会社化、2020年にプロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」を創設しました。
同事業ではこれまで通信販売事業で培ってきた良いものを「見つける」「磨き上げる」「伝える」の考えのもと、地域の魅力を発掘し、それを磨き上げたうえで、全国各地へと伝え広げていくことで長崎の活性化につなげていくことを目指しています。地域の魅力を発掘し、全国へ発信する長崎スタジアムシティ 日本一やこだわりが随所で見られる
長崎スタジアムシティではあらゆるところにこだわりや、日本一が随所で見られます。
メインとなるのは「V・ファーレン長崎」のホームスタジアムで収容人数2万人のサッカー専用スタジアム「PEACE STADIUM Connected by SoftBank(ピーススタジアム)」です。観客席からピッチまでが5メートルと日本一ピッチに近いスタジアムを実現しました。選手の息遣いまでもが感じられ、迫力ある試合を体感できるのが大きな特徴です。
サッカースタジアム併設の「スタジアムシティホテル長崎」は客室からピッチを見下ろせる日本初のホテル。総客室数243室のうち、約7割がサッカーの試合やスタジアムの緑を感じることができる「スタジアムビュー」、約3割が長崎の美しい山々と街並みが広がる「シティビュー」の構成です。
また、サッカースタジアムの上空を滑走するジップラインも日本初。目の前に広がるスタジアムと長崎港、横に見える稲佐山を一望できるアトラクションで、これまで91歳の男性などが挑戦する人気ぶりです。
一方「長崎ヴェルカ」が本拠を置く「HAPPINESS ARENA(ハピネスアリーナ)」は舞台幕や上段席上部に設置している客席仕切り幕、収納可能客席などを利用し、1000~6000人と収容人数を変更できる可変型アリーナです。バスケット以外のスポーツや音楽コンサート、物産展など多用途に利用できるのが特徴です。サッカーのピッチが見下ろせるスタジアムシティホテル長崎(写真正面) ハピネスアリーナ1.5階に設置された「VIP BOXルーム」から迫力の試合を観戦、天井中央のセンタービジョンがイベントを盛り上げます 毎日訪れたくなる工夫や仕掛けがいっぱい
現在、サッカーやバスケットの試合はそれぞれ1年間に20日から30日程度、試合のない300日の日常の賑わいを創出するための仕掛けや工夫に力を入れています。
商業施設は全体で80店舗を超えています。「STADIUM CITY SOUTH(スタジアムシティサウス)」は現在ショッピングやグルメなど約20店舗のほかに、事前に実施した街頭アンケートから生まれた、長崎“初”の屋内型スポーツエンターテインメント施設や2フロアにわたりリラクゼーション空間・温泉・サウナを備える温浴施設、長崎が一望できる屋上の足湯なども設けられ、憩いの場も充実しています。
夜のサッカースタジアムを利用して行われるレーザーショーやスタジアム3階のコンコースを朝限定でウォーキングやランニングの会場として開放するなど市民の日常に寄り添ったイベントも提供しています。
今では休日で2万5000人~3万人、平日でも約9000人が長崎スタジアムシティを訪れており、まさに街へと成長しています。感動とビジネスを両立する
日本初のスタジアム・アリーナ併設のオフィス棟「STADIUM CITY NORTH(スタジアムシティノース)」は外壁から飛び出した「えんがわ」空間のデザインが特徴的です。
長崎県内最大級の賃貸面積を誇り、賃貸オフィスに加え、一人からでも入居可能なシェアオフィスやコワーキングスペースも展開しています。10~11階に吹き抜けタイプの共有ラウンジを設置し、ピッチイベントやセミナーの開催による共創を後押ししています。
長崎大学情報データ科学部なども入居するなど、大学や企業が連携し、新たな価値を創造する理想的なオフィス空間として期待が広がっています。外壁から飛び出した「えんがわ」空間のデザインが特徴的なスタジアムシティノース スタジアムノース10-11階吹き抜けの共有ラウンジではセミナーの開催も 100年に一度の変革期の長崎から全国へ
西九州新幹線の開業や長崎駅・周辺の再開発など長崎は100年に一度の変革期を迎えていると言われています。中でもハードのみならず、ワクワクするような魅力的なコンテンツを伴っている長崎スタジアムシティは、長崎変革の中心的な役割を担っているといっても過言ではありません。さらに、民間によるこの大規模開発プロジェクトをビジネスとして成立させることができれば、全国の地域活性化のモデルケースとなるでしょう。
これからも長崎スタジアムシティの取り組みから目が離せません。長崎スタジアムシティ 【所在地】 長崎県長崎市幸町7番1号
【URL】 https://www.nagasakistadiumcity.com/